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新型コロナで変わる音楽業界に向けて「スタジオ経営」を支えるスタジオル社の取り組み

#インタビュー

' セルリア編集部 2020.07.31

音楽スタジオWEB予約プラットフォームを運営する株式会社スタジオルの代表取締役社長:山地 瞭さんと、スタジオ無人化コンサルティングを行なっている:サパさんに、今後の音楽スタジオ経営や、無人化経営についてインタビューさせていただきました。

SHERE!

Web経由で簡単に音楽スタジオの予約ができるプラットフォーム「スタジオル」を運営している株式会社スタジオルが、新型コロナウイルスの影響でスタジオ運営ができない経営者などに向け、店舗スタッフが非駐在でもスタジオ経営が可能な予約システムオプションスマートプランの提供を開始しました。

今回、そのスマートプランやスタジオルの運営のきっかけなどを株式会社スタジオルの代表取締役社長の山地 瞭さんと、スタジオルのオフィシャルパートナーでもありスタジオ無人化コンサルティングを行なっているスタジオABRオーナーのサパさんにインタビューさせていただきました。

その一部を紹介します。

全文は動画でご覧ください。


撮影場所:スタジオ・ラクスタ 八王子北野店(東京都八王子市打越町344−6 B1)

はじめに

本日はありがとうございます。

早速ですが、このサービスを始めたきっかけを教えてください。

 

山地さん(以降 山地):

私もドラムをやっていて、仕事帰りにドラムの個人練習をやる機会が多かったんですけど、その当時ほとんどのスタジオが電話予約が主流でした。
その時は「そんなものなのかな」と思ってたんですけど、ホテルや美容院のWeb予約プラットフォームがどんどん発達する中で、音楽スタジオもこの仕組みがあったほうがいいんじゃないかと考えまして、
調べたんですけどもどれも洗練されていないというか・・・

サパさん(以降 サパ):(無言で頷く)

山地:

それだったら自分で作ってしまおうと。

そう思ったのが経緯ですね。

確かに今回予約させてもらって、時間を決めるシステムがとてもスムーズで使いやすかったです。

山地:

ありがとうございます

 

このようなWeb×音楽スタジオのサービスの実現で一番大変だったことは何でしょう?

 

山地:

1つは、とにかくサービスを作ることが大変でした。

音楽スタジオって店舗ごとにハウスルールがあって、個人練習や予約の制限やオプション、割引など・・・全然店舗ごとに違って規則性がなかったんですよ。

サービス開始にあたって1つのパッケージを作らなくちゃいけないんですけど、とにかくルールがめちゃくちゃなので、まとめるのが大変でした。

だいたい日本の音楽スタジオって3000店舗くらいあるんですけど、3000店舗全部のHPを見て、料金や仕組みの違いを1つ1つエクセルに打ち込んで・・・

これをまとめるのがものすごく大変でした。


株式会社スタジオル 代表取締役社長 山地 瞭 氏

サパ:(無言で頷く)

山地:

もう1つは、システムが完成した後にスタジオ経営者の方に向けた説明が大変でした。

スタジオ経営は電話などのコミュニケーションが大事だと考える方が多くて、そんな方々にこのシステムの便利さを伝えるのが大変だし、時間がかかりました。

確かに、こと音楽スタジオ経営者にはあまり馴染みがなく、新しいサービスをとりいれるのは難しいと思う人もいると思いますし、怖いなと思う気持ちはわかります。

スマートプランなどの新サービスが出てきて、事業は好調なように見えますが、今後の課題などはありますか?

山地:

一通りスタジオルの認知はこの3年間で広がったように思います。

普及スピードやユーザー数は増えているので、そのユーザーからの要望をどんどん実装していくことが今後の課題です。

ありがとうございます。

導入費用について

ちなみに、スタジオル導入に必要な費用はどれくらいでしょうか?

山地:

基本的にはこの24時間対応可能のネット予約システムを導入するには、基本料金は月額9800円です。

そこから部屋数が多い店舗さんに関しては料金が上がっていく形式です。

特に導入するにあたって手続きなどの難しいシステムはありません。

スマートプランはまた別で料金がかかる形でしょうか?

山地:

そうですね。スマートプランは+月額10000円と専用の鍵の取り付け費などの初期費用のみで、遅くても1ヶ月後くらいには無人スタジオの経営がスタートできます。

人1人雇うと考えると非常にリーズナブルですね。

サパ:(大きく頷く)

今の導入状況はどれくらいなんでしょうか?

山地:

全国で254スタジオ様にご利用いただいています。

ユーザー数(スタジオル利用者様)は14235人が会員登録していただいています。

ありがとうございます。

システムの発展はその業界に情熱を持つ人が適任

この予約システムや、スマートプランなどのシステムを発展されるとしたらどうでしょうか?
山地:

この要望よくいただくんですが、あまり横展開は考えていないんです。

それはその業界に思い入れや情熱がある方がやったほうがいいと思っているので、もし他の業界でやりたい方がいれば、ぜひ当社に来ていただければシステムのシェアなどやりたいと考えているので、お問い合わせいただければ
 

お問い合わせ、お待ちしています。

一同:(笑)

今後のビジョン

スタジオルの今後のビジョンを教えてください。

山地:
音楽スタジオ同士が繋がって、そこのお客さんが様々なコミュニケーションが取れるような仕組みを作りたいと思っています。

例えるならスタジオル内のユーザーのニュースやメンバー募集などを行うことも可能になるわけですね。

山地:

そうですね。そのシステムについては近々にリリース予定です。

ありがとうございます。

利用者の評判は上々

次はスタジオ利用者の声を聞いてみたいと思うのですが、サパさんが今回スタジオ無人化コンサルティングを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

サパ:

きっかけというか、このスタジオルさんのスタジオはもともと私がやっていたスタジオで、譲渡先を探していた時に、無人化でのスタジオ経営を行なっている噂を聞いて行ってみたんですね。

サパさんすごい緊張してます?

サパ:

めちゃめちゃしてます。笑

一同:笑

山地:

こんなサパさん見たことない笑

サパ:

それで見に行ったんですけど、少し(システムなどが)足りない部分が多いなと思って色々考えて、山地さんに色々相談してウチが聖蹟店をやるにあたってそのシステムを導入したのがきっかけです。

結構無茶なお願いもあったんですか?

山地:

サパさんのお願いなら断れない(笑)

関係性が(笑)

サパ:(笑)

初めてみて実によく(お店が)回ってて、今でも週に2回だけ閉め作業をしにいくだけです。

実は、その前から山地さんから他スタジオの困っていることを聞かされていて、だいたい経費、人件費が出せないという話が多いんですけど。

そしたら、スタジオ無人化にすれば人件費はがっつり下がるので。

そうですね。

サパ:

これは広めていったほうがいいでしょうと。

システムは完璧なんですけど、スタジオの運営上の問題が多くあったのでそこのブラッシュアップが必要だなと。


スタジオ無人化コンサルタント スタジオABRオーナー サパ 氏

無人経営と聞いて、野菜の無人販売のようにお客様の善意でなりたってる商売をイメージするんですが、

それを音楽スタジオに置き換えた時に・・・これ、偏見と経験なんですけど、善意がない人もいるじゃないですか

サパ:

いますね。導入にあたってオーナーさんが1番心配されるのがそこなんですよね。

高い機材も置いてるわけですし・・・(セキュリティでは)無人コンビニのような営業システムを目指しています。

スマートプランにある鍵のシステムは、自分しか鍵のパスワードがわからないためセキュリティはしっかりしている印象です。

利用者さんからの評判はどのような感じでしょうか?

サパ:

すこぶる良いですね。例えば古き良きスタジオのような怖いスタッフさんがいないとか。

あー、確かにスタジオのスタッフさんが怖そうな方は多いですよね。笑

金髪、赤髪、刺青・・・

サパ:

そういったスタッフさんがいないので、安心して行けるっていうのと(運営によりますが)スタジオが綺麗とは言われます。

機材の扱いもスタッフさんがいないほうが良いですね。

スタッフさんがいないことで、自主的に綺麗にしてくれているんですね。

感染症対策について

昨今の新型コロナウイルス対策でやってることなどはありますか?

サパ:

清掃消毒はもちろん、出入り口には消毒液の設置を行なっています。

(スタッフがいないため)対面接客がないので、飛沫感染もないですしお金の受け渡しもないので、東京都のガイドラインにはしっかりと沿って対策しています。

新型コロナウイルスの影響もあってこのシステムへの問い合わせが増えているのかもしれませんね。

ずっとスタジオを閉めてるわけにもいかないと思うので・・

山地:

そうですね。

人と人の繋がりを広げていってほしい

スタジオルに今後期待しているサービスやご自身の課題点があれば教えてください。

サパ:

音楽業界の人って、人と人のつながりをとても大事にしているので、完全に人との繋がりをシャットアウトしてしまうのはあまりおすすめしない。

プラットフォームを使ってその繋がりをもっともっと広げていってほしいですね。

山地:

はい!がんばります。

結構大変ですよね・・

一同:笑

サパ:

コンサルとしての課題点はスタジオのオーナーさんにどこまで納得していただけるかがすごく大事で、

完全無人を目指すか目指さないかで進む方向が変わってくるので、お客さんとの繋がりを大事にしつつ経費は下げたいといったオーナーさんに対して、(オーナーさんが自由に出入り可能なスタイルなどを提案することで)しっかり提案を伝えられるようにしたいですね。

運営上こうしたほうが良いですよと伝えてもうまく伝わらないことがあるので・・

 

店舗のオーナーさんの考え方とマッチさせることが課題なんですね。

山地:

今は音楽スタジオの無人化は例がほとんどないので、ノウハウをもっともっと積み上げていかなきゃいけないと思っています。

 

今後の音楽スタジオ運営の変化

そのような中で、音楽スタジオはどのように変化していくと予想していますか?

サパ:

両極端になっていくと思いますね。

(このような自体で)ミュージシャンが元気が無くなってしまうと、スタジオ運営も事業なので利益がでなければ運営できなくなってしまう。当然スタジオも閉めなきゃいけなくなってしまう。

それをなんとか防いで、この人と人の繋がりを残したいと考えています。

山地:

音楽×Webをテーマに事業を考えた時に、音楽は全てオンライン化は難しいと考えています。

バンドなどを自宅などでできない状況は多いので、音楽スタジオのニーズはなくならないと思います。

とはいえ今回のコロナのような状態になった時に、お客様が心地よく快適に使えるようにインフラ整備を愚直にやっていくということをやっていけば、音楽スタジオは残り続けると思います。

音楽スタジオ同士が力を合わせて、新しい経営のスタイルを模索しないといけないと思っています。

新しい経営の形というのはどのようなものでしょうか?

山地:

今回のスマートプランがまずは1つの形だと思います。

(新型コロナウイルスが終息しても)元には戻らないと思っているので、今までと同じスタジオ経営は難しいと思います。人件費や営業形態などの様々な問題を解決して、より一層この状態でもスタジオ運営が持続可能な条件をスタジオルで表現できたらと思っています。

ありがとうございます。

最後に

活動を制限されているバンドマン(音楽関係者)に一言ありますか?

サパ:

気持ちが折れるタイミングが早くないですか?もうちょっとどうやったらできるかを考えましょうよと言いたいですね。

困ったら俺のところに来い的な?

サパ:笑

もちろんそれでも良いですし、せっかくそこまで作ってきたものをやめてしまったら勿体無いので、何かできることを一緒に探しましょうと言いたいです。

山地:

今のこの状況、不安に思う方が多いと思います。

私自身も答えは見つかっていないですが、みなさんが新しい挑戦ができるようなインフラを整えるのが当社のミッションだと思っています。

音楽スタジオの新しいビジネスモデルを組んで、音が出し続けられる空間は守っていきますので頑張りましょう!

サパ:

我慢じゃないんです。頑張るのは、行動なんです。

本日はインタビューありがとうございました!

 

まとめ

快くインタビューに応じていただきありがとうございました。

今後のスタジオルの活躍やスタジオ経営の多様化に伴う音楽業界全体の動きに注目しています。

(インタビュアー:杉原 立紀)

 

関連情報

[会社名] 株式会社スタジオル
[事業所] 東京都八王子市打越町344-12 大久保ビル206
[設立] 2017年4月
[代表者] 代表取締役 山地 瞭
[企業URL] https://studi-ol.co.jp/
[サービスURL] https://studi-ol.com/
[事業内容] ・音楽スタジオWeb予約プラットフォーム「スタジオル」の運営 ・音楽リハーサルスタジオ「ラクスタ」の運営

[店名]Studio ABR 聖蹟桜ヶ丘店
[所在地] 東京都多摩市関戸4-24-7-B1
[店舗URL] http://ssk.abr.jp/
[事業内容] ・音楽リハーサルスタジオの運営

 

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